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私の地下街ストーリー

地下街を支える、安全・安心のプロフェッショナル

2026.08.17

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通勤や通学のための通行路はもちろん、ショッピングや飲食、憩いや待ち合わせの場など、地下街では多くの来街者が日々行き交い、賑わいをみせています。

その賑わいの裏側には、来街者やそこで働く人々の“安全・安心、快適さ”のために、「24時間365日」弛まぬ努力を積み重ねている多くのプロフェッショナルたちの支えがあります。この特集記事では、「人と技術で地下街を支える、縁の下のチカラ持ち」である協力会社の方々にお話を伺いました。


【取材者紹介】

(右)関電ファシリティーズ株式会社 関西第三支店 大阪地下街営業所
統括長 表 竜成

(左)日本警備通信株式会社 
執行役員 警備事業部 部長 高山 基棟

地下街は、多くの協力会社に支えられている

通路や店舗、広場などがある地下街は、空調・電気・給排水・防災設備などが一体となって機能する、いわば一つの「街」といえます。その運営には、設備管理や警備、清掃、イベントなど、さまざまな協力会社のプロフェッショナルたちに支えられて成り立っています。

なかでも“安全・安心、快適さ”の基盤を担うのが「設備管理」と「警備」の仕事。設備管理のプロフェッショナルは電気や空調、給排水など施設の裏側から支え、警備のプロフェッショナルは事件や事故の発生を警戒・防止のために活動しています。地下街の「何事もない日常」は、プロフェッショナルたちの連携によって維持されています。

地下街に関わる、私たちの仕事

大阪地下街(株)では関電ファシリティーズ株式会社、日本警備通信株式会社をはじめとする多くの協力会社に支えられています。

-------それぞれの業務内容と大阪地下街との関わりについて教えてください

表さん:私たち関電ファシリティーズは、建物の設備管理を担う会社です。地下街においては、電気・空調・給排水・防災設備などの運転監視および保守点検であったり、何か不具合があった場合の一時対応であったり、地下街の利用者さまが安心して利用できる環境の維持管理に努めています。

大阪地下街さまとのお付き合いは、2017年の入札からです。入札では価格だけでなく、当社の品質や体制を含めて評価していただきました。それが、本格的な関わりの始まりです。


高山さん:日本警備通信は、施設警備を中心に安全管理を担っています。具体的には、巡回や立哨、監視業務に加え、テナント対応や迷惑行為への対応も含まれます。

2016年12月頃から、大阪地下街さまのご依頼で、弊社保安担当者が防犯講習会の講師を務めるなどのお付き合いをさせていただいておりました。2017年、関電ファシリティーズさんから「あべちか」の施設警備業務の委託を受けて、施設警備においてもお付き合いが始まり、その後「ホワイティうめだ」「ドーチカ」「なんばウォーク」と大阪地下街さま4拠点において施設警備業務を担当させていただいております。

何も起きないことが、最大の成果

-------地下街ならではの特殊性と、印象に残るエピソードは

表さん:地下街は常に営業しているため、昼間に大きな作業はできません。公共通路という特性上、とにかく安全確保が最優先。設備工事や更新作業は、利用者のいない夜間に対応したり、定休日に集中させたり、「限られた時間の中で確実に仕上げる」ための工程管理も重要な仕事です。

地下特有の難しさは、やはり「水」ですね。漏水や雨水、地下水。常に意識しなければなりません。印象に残っているのは、真夏の暑い時期に発生した「なんばウォーク」での漏水です。広範囲に水がまわり、「空調が停止する」という事象が起きました。空調が止まると、店舗さま、特に飲食店さまは暑くて営業ができなくなってしまいます。このときは、設備だけでなく、警備や清掃スタッフ、全員で応急対応にあたり、拠点を横断して応援体制を組みました。「街を止めない」という共通認識のもとで動けたことが、「早急な一時復旧につながった」と感じています。

高山さん:あの時は大変でしたね(笑)

表さん:地下街をくまなく巡回されている警備スタッフさんの緊急対応力と、大阪地下街の各営業所の担当社員さんに協力いただいたのも大きいです。この時は「日頃からの各部署との連携と、コミュニケーションの大切さ」をより実感しました。


高山さん:表さんがおっしゃる通り、地下街は街そのものですから、判断を誤れば混乱につながります。だからこそ、日頃の情報共有が大切だと思いますね。

大阪の地下街は日本有数の規模です。来街者数も多く、迷子や高齢者の体調不良、トラブルだけでなく、想定外のことも起きます。公共通路という性質上、判断が難しいケースもあります。だからこそ、私たち警備担当の現場判断が重要になります。状況を見極め、声をかけ、対話を重ねる。強い対応が必要な場合もあれば、見守る判断もあります。そのバランスが難しいところです。

表さん:警備の方は「地下街の顔」といえます。対応の仕方一つで、地下街の印象は変わるので、とても苦労されているかと思います。


高山さん:印象に残っている仕事は、2019年「ホワイティうめだ」のニューアル工事の際、現場隊長を務めたことです。「泉の広場」が新しく生まれ変わる過程に携わり、リニューアルオープンまで無事に警備業務を完遂できたこと。生涯において自慢できる仕事の一つです。

もう一つが、梅田で起きた急病人の一次救命処置です。連絡を受けて現場へ向かいましたが、すでに呼吸が止まっており、すぐに胸骨圧迫を始めました。AEDの訓練は日頃から行っていますので、体は動きました。胸骨圧迫を続けると、次第に血が巡る感覚が伝わってきました。心臓がドクドクと、こちらの圧迫を押し返すように動き始めたんです。その瞬間「生き返った」と思いました。そのときの感触はいまでも覚えています。

もしもへの備え!災害や緊急時の対応

地下街という「街」を守るために、災害・緊急対応への備えは欠かせません。とりわけ南海トラフ地震を想定した訓練は、関係各社が連携して継続的に取り組んでいる重要なテーマです。

-------南海トラフ地震など、防災訓練について

高山さん:地震や豪雨などの自然災害、火事や停電など、防災はさまざまな状況を想定した対応が必要です。なかでも南海トラフ地震については、必ず想定しておかなければならないと思っています。毎年、大阪地下街は、総合防災訓練、深夜訓練、水防訓練、避難訓練、通報訓練など多くの訓練を行っています。

私たち警備担当にとって特に深夜訓練は、南海トラフ等を想定した形で、地震発生から大阪市域への津波到達まで、おおよそ2時間あるという前提で、「その間にどうやって避難させるか」を各拠点で確認しています。具体的には、大阪地下街の避難確保計画や訓練計画に従って避難誘導や案内放送など、現地活動ですね。例えば「火災が発生した」「ガスが止まった」といったさまざまな状況を想定し、関電さま、地下街さまと打ち合わせを重ねて訓練を実施しています。


表さん:高山さんがおっしゃる通り、災害対応は単独では完結しません。警備スタッフさんが現場を把握し、私たち設備がインフラを制御し、地下街運営者やテナント、交通機関、消防が一体となる。「その総合力こそが、地下街の安全・安心を支えるチカラ」だと思います。


高山さん:地下街は「地震そのものには比較的強い」とも言われますが、その後に想定される津波や浸水、さらにはガス漏れといった二次災害への対応が極めて重要です。状況を的確に見極め、安全に避難へと導く判断力と統制力が求められます。


表さん:日常の裏側で積み重ねられている訓練と備え。それは、万が一の瞬間に確実に機能するための「見えないインフラ」と思って取り組んでいます。


高山さん:他の現場でも毎年、消防訓練や防災訓練は行ってきましたが、大阪地下街の規模はなかなかありません。地下街は「街」ですから、テナントさんも参加して約200人規模になります。メトロさんや消防の方にも来ていただいて実施します。これだけ多くの関係者が一体となって訓練する場は、他ではあまり経験がありませんね。

未来へ、私たちが地下街に貢献できること

地下街は、時代とともに姿を変えながら、多くの人の暮らしと都市の営みを支えてきました。技術の進化や社会環境の変化が加速するいま、求められる役割もまた広がり続けています。

-------これからの地下街に、求められること

表さん:設備管理は、設備機器(ハードウエア)と、それらを動かす人(ソフトウエア)の両輪で成り立っています。ハードウエアとしての技術は進化し、遠隔監視やデータ活用、エネルギーコストの削減・ゼロカーボンへの取り組みなど、できることは増えました。しかし、最終的に判断するのは人です。高度化する設備に対応できる人材を育てながら、「現場を大切にし、見えない部分で施設を支え続けたい」。それが私たちの役割です。



高山さん
:昔の防災センターはブラウン管のモニターでした。それが令和元年の改修で大型モニターが並び、まるで秘密基地のような空間になりました。さらにデジタルサイネージも導入され、火災や地震の際には、即座に注意喚起を表示できる仕組みが整いました。技術の進化で、「地下街全体で防災力を高めている」と実感しています。

表さんも話されていましたが、最終的な判断を下すのはやはり人間です。人材不足という課題もある中で、機械の力を活用しながらも、最後は現場に立つ人のチカラが不可欠だと感じています。私たち警備スタッフは「日本最大級の地下街を警備する仕事」に誇りを持って取り組んでいます。私自身も「学生時代に通っていた地下街を、いまは守る立場として支えている」。そのことに誇りを感じています。これからも、裏方として、しかし確実に、この街を支え続けていきたいと思います。

地下街は、多くの協力会社に支えられています。
電気・空調・給排水を守る設備管理のプロフェッショナル。
巡回・案内・緊急対応を担う警備のプロフェッショナル。
「何も起きないことが、最大の成果」。そして、何かあったときに備える、弛まぬ努力の積み重ね‥‥。
技術が進化しても、地下街を支えているのは現場のチカラ。
見えない部分で支え続けるプロフェッショナルたちの連携が、地下街の今日も変わらぬ日常を守っています。


<協力会社>
関電ファシリティーズ株式会社:https://www.kanden-fa.co.jp
日本警備通信株式会社:http://www.nihonkeibitsushin.com