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地下街トリビア

地下街は巨大な美術館!?アート作品の数々

2026.10.13

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地下街には、著名な作家やアーティストが関わったモニュメントやデザイン性の高い構築物があちらこちらに設置されています。また、地下街から着想を得た創作物も存在しています。
この記事では、そんな「アート」とも呼べる作品の一部を紹介します。

ホワイティうめだ「梅田吸気塔」のヒミツ

地下街に新鮮な空気を取り込む役割を担う構築物「梅田吸気塔」。芸術院会員・村野藤吾のデザインで1963(昭和38)年に建設、2013(平成25)年には「大阪市生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」にも選出された、梅田のランドマークでもあります。
そんな「梅田吸気塔」には、知る人ぞ知るトリビアが…。
時を遡ること約50年、医療漫画の金字塔とも呼ばれている『ブラック・ジャック』(手塚治虫著)の1974(昭和49)年に発表されたエピソード、「アリの足」の最終頁に登場しているのです。
建替え前の阪急百貨店や大阪富国生命ビルと共に描かれ、当時の梅田の風景が記録された貴重な一コマです。



©手塚プロダクション

漫画のコマと同アングルの現在の風景。


(左)梅田吸気塔を下から見上げる
(右)めったに見られない!?梅田吸気塔の根もと

ホワイティうめだ サルベージアート「いのちの木」

2019(令和元)年、「泉の広場」の奥「NOMOKA」ゾーンの突き当りの壁面に、地下街や地下鉄の廃材を使った“サルベージアート”が設置されました。
この「いのちの木」は、廃材から作品を生み出すアーティスト、富田菜摘氏の作品。
『地下に昔からあった木が、新しく枝を伸ばし道や地下街へ広がっていく』がコンセプト。大きな木やそこに住む動物たちに模したサルベージアートが地下街を彩っています。


リニューアル前の「泉の広場」の照明器具や、地下鉄の吊り輪などの廃材が使われています。

なんばウォーク「シカゴギャラリー」

2004(平成16)年、シカゴ美術館所蔵絵画の複製陶版画を常設展示する「シカゴギャラリー」をオープン。大阪市とシカゴ市の姉妹都市提携30周年をきっかけに実現しました。
米国3大美術館のひとつでもある同美術館所蔵の印象派絵画の中から、当時在籍していた社員による人気投票で、モネやルノワール、ゴッホにロートレックなど、55点の展示作品が選ばれました。


地下街から影響を受けたデザイン「大阪富国生命ビル」


2010(平成22)年に竣工した、地上28階、地下4階の超高層ビル「大阪富国生命ビル」。
このビルはフランスの著名な建築家ドミニク・ペロー氏がデザインしたもので、デザインコンセプトは「大樹」。

デザインを行う上で最も注目したのは、敷地が梅田の地下街につながっていることだったそうで、「大きな樹木の根元のように地下空間から生え、それが上層に行くにつれて平滑さを増しながら空に向かって伸びる。」そんなイメージが外観に反映されています。

2023(令和5)年には、「大阪市生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」にも選定されました。

※引用:大阪市公式サイトhttps://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/page/0000647318.html


地下街に点在する小田 信夫氏の作品

1987(昭和62)年、「ウメダ地下センター」は「ホワイティうめだ」に生まれ変わりました。その、最大の人流を誇る「センターモール」の天井には、水晶が散りばめられ眩い光を放つレリーフ「Le Reve,夢」が設置されました。

このレリーフをデザインしたのが、二科展会員でもある彫刻家の小田信夫氏です。小田氏は「この作品が設置されるシャープで機能的な空間の中にはシンボリックで『夢』のあるものがよいと考え、図柄としては空に浮ぶ雲とその背後に広がる大宇宙のきらめく星空と銀河に果てしない夢を見て創作しました。また、この作品をキャンパスとし、照明の絵筆で様々な絵を描く楽しさをも味わっていただくよう願っております。」という作品への想いを語っています。


(左)設置当初(1987年頃)
(中)現在(2026年)
(右)今も確認できる、小田氏のサイン

小田 信夫氏の作品の数々

ホワイティうめだの「Le Reve,夢」を皮切りに小田氏の作品はその後も他の地下街に設置され、2026年現在もその数々を鑑賞することができます。




(左上):なんばウォーク 地上塔屋 「浪華」1984年
(右上):コムズガーデン 「華の雲」1990年
(左下):なんばウォーク スカイパーク(現アートパーク) 「遊雲」1994年
(右下):あべちか 「耀雲」1999年

「梅田ダンジョン」からの脱出!? -地下街を舞台にした、SF小説-

〈コンピュータ制御された梅田地下街。そこに、突如として異変が発生した。次々と降りるシャッターは複雑な迷路を形成し、外部への脱出は完全に不可能となった。野獣と化した者たちの争い……限られた小世界での苛烈な生存競争、そして生まれた胎児の如き外見の奇怪な子供ー〉ハヤカワ文庫『梅田地下オデッセイ』より

近未来の梅田の地下街を舞台にした『梅田地下オデッセイ』は、『S・Fマガジン』1978年5月号に掲載された堀晃著のハードSF小説。隣接する「阪急三番街」とともに「梅田地下センター(現ホワイティうめだ)」、「堂島地下センター(ドーチカ)」、「プチ・シャンゼリゼ(現プチシャン)」ほか、現存するテナントも登場しています。

50年前の地下マップを片手に、あなたも1978年の梅田地下街に迷い込んでみませんか?